一人称への違和感

私の一人称は「私」である。声に出すと「あたし」に聞こえる時もある。日本語に一人称は数多あるが、実は、一人称は選べないものなのだ。女子なら「私」男子なら「俺」と、小学生から中学生になる頃半ば強制的に変革を迫られる。でも私は私と自称するのに納得がいっていない。そう呼ぶしかないから使っているだけ。みんなそうなんじゃないか。私の周りにいる人みんな。自分のことを「私」と呼ぶのに100%納得のいっている人っているのか。「私」にはフェミニンなニュアンスがあると思っているから。もしくは私小説の中でしか出てこないもの。「おれ」が好き。ひらがな。破擦音のある「わたし」よりやわらかいし短い。「ぽれ」も良い。一人称をなんて呼ぶか、誤魔化している者の感じがする。ある友人のRちゃんは頻繁に「ぼく」と言う。「ぼくっぴ」の時もある。その素直な響きが、とても彼女の人柄に合っていて素敵だ。

微妙に多様性のある一人称のせいで、むしろ選べない不自由が生じてくる。韓国語の「ネ」英語の「アイ」フランス語の「ジュ」 諸外国語は男女や階級で一人称が変わったりしない。そのことが不自由ゆえの自由に見えてうらやましい。

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