iPhoneのメモに記述が残っていたので、書きかけではあるけれども公開しておく〜
日程:2024/6/26
移動手段:近鉄
行き先:伊勢志摩 おかげ横丁、賢島
旅のお供本:村上春樹『海辺のカフカ』
すべてが嫌になってしまった6月26日、私は一人旅を敢行した。
六月限定の、近鉄が発行していた『二日間全線フリーきっぷ』を買って。いつも通学で使う駅で、伊勢志摩ライナーの案内をやたらと聞いていたので、以前から気になっていた。全線フリーきっぷは名古屋までもが範囲内だったので迷ったが、賢島まで行ってみることにした。もちろん、伊勢志摩ライナーや特急は使えない。何と言っても全線二日間で三千円という超おトクきっぷだったので、かくして私は、伊勢志摩への鈍行旅行をおこなった。
大阪から三重まで、鈍行だとかなりの時間がかかる。片道三〜四時間といったところか。私は道中、何をするか決めてあった。いや、むしろ、その道中の時間のためにこの鈍行列車の旅をえらんだといっても過言ではない。それは読書である。図書館で借りてきた、「海辺のカフカ」をトートバッグにしのばせて、私は計六時間以上も電車に揺られていたのだ。
そもそもなぜこんなことをしようかと思ったか。限界だったからである。六月のスケジュールは本当にひどかった。私の要領がわるいのもあり、二つもある発表と、テスト、サークル、バイト、成人式の前撮りなど、忙しないことこの上ない日々だったのだ。授業も毎回課題が出るし、予習必須の科目も増えたし、とにかくたくさん課題図書を読まされた。倒しても倒しても湧いてくる日々のタスクに疲労していた。義務的な読書と日々の忙しさで、気がつけば私自身の趣味の読書の時間は無いに等しかった。本を読まないとどうなるか。──余裕がなくなる。ストレスが溜まる。というわけで、荒れに荒れていた六月の私の心は(といっても、本当にひどい時期を知っているので、当事者としてはこれくらいまだ耐えると思っていた。だからこそ知らないうちにストレスが山積するのだ)遠くへ行くことを知らず求めた。どこか遠くへ、とにかく遠くへ、抱えるタスクをまるごと家に置き去って、この体一つで遠くへ行ってしまいたい。
いつも通る駅から、日常から、軽やかに足を踏み出して。(知らない行き先の電車をえらんでやる。)その日の早朝、私は、通勤通学の人で混み合う鈍行列車に飛び乗った。
電車の旅は最高だった。都心部から離れるほどに人が次々降車していき、二つ目の県境を超えるころには、長いシートに数人程度しか残っていなかった。お昼は向こうでグルメをたくさん楽しむ予定だったので、お腹を空かせておこうと朝ごはんがわりの
路傍のあじさい、勇気を出して入った伊勢うどん屋さんで食べたうどん ふっかふかであたたかかった
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